IoTが拓く未来:センサデータから見る人間の世界
2024/9/6 9:30-12:00
第2イベント会場
9:30-12:00 司会/パネリスト 成果発表 〜IoTが拓く未来〜
渡邉 拓貴(公立はこだて未来大学 システム情報科学部 准教授)
【略歴】 2017年神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻博士課程後期課程修了.博士(工学).日本学術振興会特別研究員(DC2).2017年より北海道大学大学院情報科学研究院助教.2021年10月よりさきがけ研究者として兼務.2024年より公立はこだて未来大学システム情報科学部准教授.ウェアラブル,ユビキタス,モバイルコンピューティング,人間行動認識の研究に従事.情報処理学会,ACM各会員.
9:30-12:00 司会/パネリスト 成果発表 〜IoTが拓く未来〜
豊浦 正広(山梨大学 大学院総合研究部 教授)
【略歴】 2008年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了.同年日本学術振興会特別研究員(PD),カリフォルニア大学サンタバーバラ校訪問研究員.2009年山梨大学大学院総合研究部助教,2017年同准教授,2024年同教授.2021年10月よりJSTさきがけ研究者(IoT).IoTセンサデータ解析,ディジタルファブリケーションに関する研究に従事.情報処理学会山下記念研究賞(2016).
9:40-10:20 講演(1)/パネリスト グリーンIoTの実現に向けた取り組み
田中 雄一(大阪大学 大学院工学研究科 教授)
【概要】 Society 5.0 により実現される社会においては,我々人類は無数のセンサ群に取り囲まれ,また人間自身もセンシングし・されることである種のセンサネットワークの一部をなす.センサデータを計測し,解析することでサイバー空間にフィジカル空間を再構成する技術は,国際的に総力をあげて取り組むべき課題である.同時に,計測・信号処理・AIすべてのシステムにおいて性能を保ちながら電力や資源の消費を抑えることは,持続可能な計測〜解析技術の実現のために必須である.上記課題を解決するためには,「計測システムだけ」,「信号処理システムだけ」,「AI システムだけ」の研究から脱却する必要がある.総合的・横断的・国際的なチームを構築し「データ駆動型AI」と「AI駆動型センシング」を融合した,超高効率センサネットワークシステム―グリーンIoT―を実現することはできるだろうか? 本講演では,講演者が研究代表者を務める JST AdCORP でのグリーンIoTに係る国際共同研究のこれまでの取り組みを紹介する.
【略歴】 2007年慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了.博士 (工学).日本学術振興会 特別研究員 (PD),宇都宮大学大学院工学研究科助教,東京農工大学大学院工学研究院准教授を経て,2022年より大阪大学大学院工学研究科教授.2016〜2019年度 JSTさきがけ「新しい社会システムデザインに向けた情報基盤技術の創出」,2019〜2022年度 JSTさきがけ「IoTが拓く未来」研究者を兼務.専門は信号情報処理,特にグラフ信号処理,画像処理,生体情報処理.
10:20-11:00 講演(2)/パネリスト 無線による持続可能なセンシングの実現に向けて
内山 彰(大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授)
【概要】 IoTを活用したアプリケーションの一つとして、人の行動や物の状態などの状況認識が注目されている。一方、IoTデバイスの数が膨大となる将来社会では、充電やバッテリ交換の手間といった持続可能性が大きな課題となる。本研究では、状況認識を対象として、センシングの持続可能性に着目し、ヒトやモノの動きが電波に及ぼす影響を直接とらえるワイヤレスセンシングに基づく状況認識技術の確立を目指している。本講演では、backscatterと呼ばれる超省電力な通信技術を利用した状況認識や、Wi-Fi電波を用いた状況認識などに関する取り組みについて紹介する。
【略歴】 2008年大阪大学大学院情報科学研究科博士後期課程修了。博士(情報科学)。2009年より、大阪大学大学院情報科学研究科助教。2021年より同研究科准教授。2019年から2023年まで、JSTさきがけ「IoTが拓く未来」研究者。現在、モバイルコンピューティング、モバイルセンシング、ヘルスケア、無線センシングなどの研究に従事。
11:00-11:40 講演(3)/パネリスト 人の感覚を理解するAIoTの実現に向けて
松田 裕貴(岡山大学 学術研究院 環境生命自然科学学域 講師)
【概要】 AIoT(Artificial Intelligence of Things)が私達の暮らしに広がりを見せているが、搭載されているセンサが「観測」する世界と、利用する人が「知覚」する世界にはギャップがあるため、人に寄り添ったサービス提供が実はできていないのでは?という課題に焦点を当て、人の感覚を理解できるAIoTの実現に向けた研究を行っている。本講演では、公共交通機関における体感混雑度、都市空間における体感温度、そして観光地や美術館における鑑賞者の心理状態・態度といったトピックから、AIoTによるセンシングがどのように人の感覚を理解するために利用できるかについて紹介する。
【略歴】 2019年奈良先端科学技術大学院大学博士後期課程修了、博士(工学)。2024年4月より岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域講師。 情報科学技術と人間との協調によるヒューマン・イン・ザ・ループなシステムを中心に、より高度な社会を実現するAIoT(Artificial Intelligence of Things)に関する研究に従事。近年は、人の感覚に寄り添ったAIoTを生み出すための産官学連携研究プロジェクトを進めている。