電気学会全国大会講演要旨
1-026
電子密度計測に向けたシャックハルトマン型レーザ波面測定装置の開発(3)
◎稲田優貴・山上晋平・松岡成居・熊田亜紀子・池田久利・日髙邦彦(東京大学)
再現性に乏しいアーク放電の消弧機構を解明すべく、単一測定による電子密度の全空間分布が求められている。そこで本研究では、シャックハルトマン型レーザ波面測定装置の開発および高感度化を行い、消弧領域における大気中アーク放電内の電子密度分布を一度の測定で全空間にわたり取得した。高感度化に際してはメニスカス形状のマイクロレンズを開発することで、焦点距離を38mmから238、467mmに改善した。これにより装置の最小検出感度は1023m-3から1022、1021m-3にまで向上した。一方、電流値が3Aにまで低下したときの電子密度分布は電極間においては1022〜1023m-3となっており、電子密度はギャップ中心付近よりも電極近傍で高くなっていた。またその後、高電子密度の領域は電極間から電極間の周辺部分に移動してゆき、この領域における電子密度は1021〜1022m-3であった。