電気学会全国大会講演要旨
1-044
液体窒素中及び気体窒素中の沿面部分放電における放射電磁波の解析
◎杉浦伸征・小山剛司・栗本宗明・村上義信・長尾雅行(豊橋技術科学大学)・山田修一(核融合科学研究所)
超電導機器の電気絶縁構成の多くは、極低温冷媒液体と固体絶縁物の複合絶縁系である。固体絶縁物沿面上で部分放電(PD)が発生した場合に、液体窒素(LN2)の局所的な気化が起こり、気体窒素(GN2)の気泡群内でPDが多数発生し、絶縁性能が低下することが懸念される。本論文では、PD電流と放射電磁波の同時測定により、PD信号を検出し、LN2中及びGN2中で発生するPDの放射電磁波特性を評価・検討を行った。放射電磁波の強度を抽出し、累積分布を計算した結果、大きな放射強度を持つPDの発生割合はLN2中よりGN2中の方が大きいことがわかった。これにより、電磁波強度特性の違いを用いてもLN2中とGN2中で発生するPDを識別できる可能性が示された。