電気学会全国大会講演要旨
1-058
E/n放電を用いたPTFE表面処理に及ぼす最大イオンエネルギーの影響とその検討
◎平沼史弥・李 強順・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
高分子材料であるPTFE(Poly-Tetra-Fluoro-Ethylene)は低誘電率,化学的に安定など優れた特性があり,多くの分野で有要な材料として注目されている。しかし,PTFEは他材料との接着力が弱い欠点を持っている。接着力向上法として,窒素中での高E/n (E:電界,n:粒子密度)放電処理法に着目した。この放電処理は,通常のグロー放電より高域のエネルギー分布を持ち,接着力向上が確認されている。そこで,最大イオンエネルギーに着目し,処理したPTFEの表面エネルギー,XPS(X-ray photoelectron spectroscopy)の表面分析結果と比較し検討することを目的とする。 その結果,気圧が低い条件で表面エネルギーがより向上した。分析結果より金属Fe, Crが影響していると考えられ,1.3keV程度イオンが電極をスパッタし付着したと考えられる。