電気学会全国大会講演要旨
1-062
プラズマ切断におけるプラズマアークおよび陽極点挙動の観測
◎片田優介・伊藤 毅・上杉喜彦・田中康規・石島達夫(金沢大学)・山口義博(コマツ産機)
プラズマ切断では被切断物が陽極となるために,被切断物の切断溝中に形成される陽極点の挙動が切断品質や切断現象に影響する。本研究では,水冷円柱型陽極を用意し,その底面に対して水平方向にプラズマ切断トーチによるアーク放電を行うことで実際の切断溝中でのプラズマアークを模擬し,陽極点およびプラズマアークの挙動を高速度カメラで撮影した。撮影はフレームレート10 μsで行った。その結果,プラズマアークはトーチのノズル‐陽極間で湾曲した電流経路を形成した。このとき陽極点は,プラズマ気流などの影響で陽極底面上をプラズマアーク下部方向に押し流され,ある程度下部まで押し流されると,絶縁破壊により新たな陽極点が上部で形成するという現象が繰り返され,陽極底面上を上下に移動することが確認された。