電気学会全国大会講演要旨
1-075
二次電子放出係数の凹凸依存性
◎藤田 翔・廣瀬史法・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
宇宙機の太陽電池パネル表面における放電進展は,帯電が問題視される。帯電解析は入力する物性値の正確さに依存し,その物性値の一つに二次電子放出係数(SEEC)がある。本研究では一次電子エネルギーEpが1000 eV以下の領域でSEECの測定を行った。予備実験で未処理のAuを測定し,Epが800 eV程度で1.6のピークが得られ,一般的な特性,文献値とおおよそ一致した。また低地球軌道では原子状酸素により表面材料に凹凸が形成される。蒸着による島状構造を用いて試料に凹凸を模擬した。表面形状分析の結果,蒸着量を変化させることにより数十 nm程度,島の高さをコントロールできた。今後は未処理,処理後の試料におけるSEECの測定結果を比較,検討する。