電気学会全国大会講演要旨
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シリコーンゲルにおける部分放電と泡トリーの進展観測
◎早瀬悠二・山城啓輔・華表宏隆・高野哲美・西村芳孝(富士電機)
ゲル絶縁物は、ゲル特有の個体的な形状安定性と液体的な流動性を併せ持つため、封止材や緩衝材として多く用いられている。適用機器の高耐圧化に伴い、部分放電(以下PD:partial discharge)の評価が求められつつある。しかしながら、絶縁封止ゲルのPD劣化現象に関する報告はいくつかの例を除いてあまりない。我々のグループで、PD発生後のゲル絶縁物を顕微鏡により詳細に観測したところ、樹枝状の放電痕が観測された。そこで、今回ゲル絶縁物のPDを、高速度カメラを用いて観測したところ、気泡が連なりながら樹枝状に進展するモードが観測され、この現象を便宜上泡トリーと呼ぶことにした。この泡トリー現象の観測に用いたシステムと、進展の様子について紹介する。