電気学会全国大会講演要旨
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液体電極を用いた大気圧グロー放電の発光分光計測による特性評価
◎一之瀬工資・白井直機・内田 諭・杤久保文嘉(首都大学東京)
近年、液体を介在させた大気圧プラズマの研究が進められ、中でも電解質溶液を電極とした放電プラズマの気相、液相間で起こる様々な現象は、材料プロセスや水処理などといった分野で応用が期待されている。筆者らはこれまで、電極間に微細ヘリウムガス流を導入した液体陰極 (NaCl溶液)大気圧グロー放電の調査・検討を行った結果、放電電流の増加に伴い水面付近より Na の発光が観測され、その発光は溶液の温度により変化することを明らかにした。しかし放電部の回転温度等の評価は十分になされていないため、気液界面での定量的な評価が不十分である。本研究では放電部を空間分解した分光計測手法を用いて、液体電極放電の特性を放電電流値、ガス流量、電極間距離などを調査パラメータとして、放電部の詳細な発光分布を観測するとともに、回転温度の空間分布の推定を行った。