電気学会全国大会講演要旨
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鉄蒸気混入アークのアーク長増大時における放射損失
◎廣瀬迪郎・岩尾 徹・湯本雅恵(東京都市大学)
TIG溶接では,電極間距離の増加,陽極からの金属蒸気の混入より,アーク温度の低下や放射の増加,入力電力の変化が生じる。このため,入熱量はアーク長の増加に伴い,単純に増加しない。よって,本論文では,高効率な加熱を行う条件を得るため,エネルギーバランスの上で損失となる放射に着目して,鉄蒸気混入アークのアーク長の増加時における入力電力,陽極への入熱量,放射損失を算出した。結果として,蒸気の混入により,放射損失の絶対量が大きくなるが,単位長あたりで考えると,最大値をとることになる。したがって,溶接の際に,入力電力に対し,効率を考慮すれば,放射損失が最も少なくなるアーク長を選ぶ必要がある。