電気学会全国大会講演要旨
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回折モアレ光を用いた広範囲位置決め制御
◎尾崎文也・栗原利徹・内田敬久(愛知工業大学)
近年,半導体などの製造過程における位置決め精度はナノレベルであることが必要な条件となっている.我々はこれまでに,回折モアレ光を用いた位置決めセンサの開発を行ってきた.しかしながらこの方法では周期的に変化するモアレ光の1周期間の短い範囲でしか位置決めできないという問題があった.本論文では,モアレ光の強度分布を使用した数百マイクロメートル以上の広範囲での精密位置決めを可能とする2段階の制御方法を提案している.PI制御による実験結果より,位置決め制御範囲は,1段階目で480[µm]以上,2段階目で10[µm]であった.位置決め結果とモアレ光特性より得られた標準偏差は,1段階目で1[µm]以下,2段階目では0.23[nm]であった.