電気学会全国大会講演要旨
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温度測定機能を持つ超音波流量計の開発
○浅利一成・三村英二(関西電力)・谷口和彦・江川正人(きんでん)
住宅におけるエネルギー消費のうち、給湯需要はおよそ30%程度を占めているが、電気以外の計測は難しくあまり行われていない。しかし、住宅のトータルエネルギー消費の実態把握のためには、電気以外の給湯起因のエネルギーの実態把握も重要である。そこで、これまでの流量計のように給湯配管を切断することなく、簡易に取り付けられ、温度と流量を同時に測定することにより、給湯エネルギーを把握できる流体温度測定機能を付加した配管外付式超音波流量計開発した。超音波流量計は、配管の外側にある2つのセンサーから同時に超音波を送受信し測定するもので、配管内の流体が止まっていれば、両方のセンサーは同時に超音波を受信するが、配管内の流体が流れている場合は、変化することを利用している。ある温度での流体の静止状態での双方のセンサーへの超音波の到達時間は、流体が流れている状態での、それぞれのセンサーへの到達時間の中間値となる関係を利用し、測定対象である流体の温度と音速の関係を事前に測定することで、流れている状態での流体の温度を測定することを可能としている。実験の結果からは、熱電対と同じレベルの誤差1℃程度で測定可能なことが確認できている。