電気学会全国大会講演要旨
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スペクトルアナライザを用いたシューマン共振現象の計測法の検討
○新川賢樹・馬杉正男(立命館大学)
雷放電時に放射されるELF帯の電磁界成分は、地上と電離層間を伝播する過程で、地球規模での共振現象を引き起こす。この現象は、シューマン共振現象と呼ばれ、基本周波数は8Hz付近、第2次周波数は13.5-14Hz付近である。近年、雷放電の発生頻度は、地上の気温との相関性が確認され、シューマン共振現象が地球温暖化の1つの指標として注目されている。一方、シューマン共振現象に伴って観測される電磁界は極めて微弱であり、その観測時には各種雑音の影響を受けやすい点が課題となっている。本稿では、高精度のスペクトルアナライザを用いて、シューマン共振帯の電磁界を選択的に検出する計測システムの概要と評価例を報告する。