電気学会全国大会講演要旨
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半導体マルクス回路を用いた高機能パルスパワー発生装置
◎坂本達朗・Nami Alireza・秋山秀典(熊本大学)・秋山雅裕(一関高専)
本研究では、パルス幅、出力電圧、繰り返し周波数をコントロール可能な、単極性、両極性の高電圧パルス発生機の開発を行った。固体素子構成マルクス発生器をベースとし、各エネルギー貯蔵用コンデンサを半導体スイッチにてハーフブリッジもしくはフルブリッジ構成とすることで極性の制御をおこなう。また一つのコンデンサとスイッチの組(SCC)は各々制御されており、そのSCCのON、OFFのタイミングでパルス幅、繰り返し周波数、また出力電圧を制御できる構成とした。各SCCの制御には高速かつ正確な制御が可能なFPGAを用い、FPGAからの各スイッチの制御信号は、各スイッチの浮遊した電位に対応すべく、光ファイバーにて高い絶縁を保った。実験用のテスト回路では各半導体スイッチに1.7 kV耐圧のIGBTを用い、各コンデンサは小型直流電源にて1 kVで充電した。また段数は3段とした。実験では各ショットごとの出力電圧、パルス幅、極性制御試験を行い、また装置の特性を試験した。実験により、本研究で提唱した回路構成が高い繰り返し周波数にて各パルスごとに各パラメータを制御ができることが証明された。