電気学会全国大会講演要旨
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仮想陰極発振器を用いた大電力短パルスマイクロ波の発生
○橋本好幸(神戸高専)
パルスパワー装置を用いて仮想陰極発振器で発生する大電力マイクロ波による医療器具の滅菌処理の研究を進めている。電源には,小型の同軸マルクス回路(-360kV,50nsec)を用いる。相対論的電子ビームの発生には,球型の陰極とアルミ箔あるいはステンレスメッシュの陽極から構成されるポイントピンチダイオードを用いる。同軸マルクス装置でダイオードに高電圧パルスを印加すると電子ビームが生成され,そのビーム電流が空間電荷制限電流を越えると,仮想陰極が形成される。その仮想陰極の振動によりマイクロ波が生成される。発生したマイクロ波(数十GHz,数十MW,数十ナノ秒)を,指標菌に照射することで滅菌が可能か検証を行う。 今回、同軸マルクス装置の設計およびマイクロ波の測定系の整備を行ったので、その概要および結果について報告する。