電気学会全国大会講演要旨
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ナノ秒パルスパワーを用いた高濃度オゾン生成の検討
◎馬渕 良・影山達也・寺西研二・下村直行(徳島大学)
本研究では,オゾン生成に用いる同軸円筒型リアクタの電極間を短ギャップ化して,ストリーマ放電を高密度に生成することで,オゾン生成の高濃度化の可能性を改めて検討する。リアクタにパルス幅約1.5ナノ秒の高電圧パルスを印加し,発生する放電によりオゾンを生成する。実験により,短ギャップ化によるオゾン生成の高濃度化が確認されたが,パルス繰り返し率の増加に伴いオゾン濃度の増加量は小さくなり,さらには低下した。ストリーマ放電発生後に火花放電のような放電が発生してリアクタの温度が上昇し,オゾンの熱分解が生じたためと考えられる。実験結果から,短ギャップ化したリアクタによるオゾン生成の高濃度化のために,ストリーマ放電の後に発生する放電の抑制の重要性が再確認された。