電気学会全国大会講演要旨
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水中気泡内プラズマによる有機フッ素化合物の分解過程
◎北川 譲・小杉明弘・竹内 希・安岡康一(東京工業大学)
プラズマによる有機フッ素化合物の分解過程解明のため,水中気泡内プラズマを用いてペルフルオロオクタン酸(PFOA)およびその分解副生成物の反応速度定数を測定した。反応速度定数は,分解処理によりPFOAおよびその副生成物が,炭素鎖の一つ短いものにしかならない一次反応であると仮定し求めた。これらの反応速度定数を用いて無次元反応シミュレーションを行い,PFOA分解処理で得られた各有機フッ素化合物の濃度変化と比較した。その結果,分解副生成物の濃度はシミュレーション結果の方が高くなった。そのため,炭素鎖が一つずつ短くなるのではなく,ほとんどがCO2として気相中に放出され,僅かなものが液相中に残るのではないかと考えた。