電気学会全国大会講演要旨
1-205
大気圧プラズマジェットを用いた大腸菌の殺菌‐殺菌範囲の照射時間依存性‐
◎高鷲健二・桑畑周司(東海大学)
本研究では大腸菌への大気圧プラズマジェットの照射時間を変化させた場合の殺菌範囲の変化と殺菌原因を明らかにするために、プラズマ照射後の寒天培地上の過酸化水素(H2O2)の濃度分布の測定を行った。 大腸菌の殺菌範囲は1秒間で約9mm、30秒間で約17mmと照射時間の増加に伴い増加することがわかった。プラズマの直径は約9mmであった。従って、2秒間以上プラズマが照射された場合、大腸菌の殺菌範囲は、プラズマが直接照射された部分より広いことになる。プラズマ照射後の寒天培地上に発生していたH2O2分布は、ほぼ殺菌範囲と一致していた。 この結果から、プラズマが直接照射されていない範囲での殺菌原因は、H2O2によるものと考えられる。