電気学会全国大会講演要旨
2-008
無極性高分子フィルムの高電界誘電特性
◎渡邊俊哉・遠山和之(沼津工業高等専門学校)
今回、分子構造がよく似ているLDPEとPPを用いて、交流高電界下における電界発光と損失電流波形の同時観測実験を行った。交流高電界下における空間電荷効果は、時間依存性を持つ現象である。そこで印加周波数を変え、損失電流と電界発光パルス数の関係を調査する。特に両者の関係を両対数グラフにプロットし、印加周波数や試料による傾きの違いを調べることで、電荷注入と空間電荷層の形成の関係を考察した。その結果、電界発光パルス数と損失電流の関係は、分子構造よりも印加周波数によって大きく変化し、周波数が高くなると損失電流の増加分に対する電界発光パルス数の増加割合が顕著になることが明らかとなった。