直流高電圧送電用ケーブルの絶縁材料として、直流高電界下においても空間電荷が蓄積しないことが期待される架橋ポリエチレン(XLPE)に導電性無機フィラーを添加した材料(SXL-A)が開発されており、優れた絶縁性能を有するとの報告がなされている。これまで我々は、XLPEおよびSXL-Aについて主に室温での空間電荷蓄積挙動を観測してきたが、CVケーブルの実際の使用環境(約85 ℃)を考慮すると、高温下での調査は重要である。そこで本報告では、高温・直流高電界下におけるXLPEおよびSXL-A中の空間電荷分布測定を行い、フィラー添加による電荷蓄積抑制効果を調査した。