現在、人々が生活を行う上で、電力は必要不可欠なものであり、最も重要なエネルギーとなっている。発電所は沿岸部や山間地など必ずしも需要地の近隣に建設されていないため、発電所から高電圧を需要のある地域へ長距離送電する必要性がある。一方交流ケーブルを用いた交流電源の長距離・高電圧の送電には無効電力が増大し、位相が大きくずれるといった問題点が存在する。そこで、位相差や大きな電圧降下が発生しない直流による送電が必要とされている。これまで、直流高電圧を印加しても絶縁破壊を起こさない耐久性・耐熱性に優れた直流ケーブルに用いる絶縁材料の開発が進められてきた。そこで本研究では、更に優れた絶縁性を持つ新材料の開発を目的として、架橋ポリエチレンにカーボンを添加したXLPE/Carbonの空間電荷特性について調査を行った。