電気学会全国大会講演要旨
2-026
直流高電圧印加時のPAI 中の空間電荷分布測定
◎根岸征央・赤田健太郎・三宅弘晃・田中康寛・高田達雄(東京都市大学)
ポリアミドイミド(PAI: Polyamideimide)は耐熱性、耐絶縁性に優れ、モータ巻線被覆材等に使用され、パワーエレクロトニクス製品の中でも特に重要な絶縁材料の一種である。モータ巻線被覆材は、近年のパワー半導体の技術進化にともなうスイッチング周波数の高速化により、巻線間での部分放電、誘電加熱、空間電荷形成による絶縁劣化が問題になっている。しかし、PAI に関しては、これまで部分放電による絶縁劣化の論文が報告されているものの、材料内部の空間電荷分布に関する論文はあまり報告されていない。これは、通常PAI が導線に塗布して用いられており、フィルム状の試料が入手しにくいためであると考えられる。そこでここでは、フィルム状に成形したPAI に、直流電圧を印加した際に、材料内部に蓄積する空間電荷分布をパルス静電応力法(PEA : Pulsed Electro - Acoustic method)を用いて測定し、PAI の電気絶縁特性の評価を試みた。