電気学会全国大会講演要旨
2-032
空間電荷分布測定における音波信号の減衰補正
◎兒玉由佳理・富田大貴・福間眞澄(松江工業高等専門学校)・布野竜二(豊橋技術科学大学)
パルス静電応力(PEA)法は,電力用機器等の絶縁材料の空間電荷分布測定に広く利用されている。PEA法では,測定試料に印加される電圧にパルス電圧を重畳し,電極界面および試料内部で発生する音波を接地電極に取り付けた圧電素子で計測する。その音波を信号処理することで空間電荷分布を測定する。上部電極側で発生する音波が下部電極に達するまでに音波の減衰や分散の影響を受ける。そのため上部電極側の音波信号が下部電極近傍の音波信号に比べ減衰する。また,上部電極と試料の音響的性質が異なる場合には電極界面で発生する音波が影響を受ける。その補正方法もすでに研究されている(1)。 本研究では,試料と電極の音響特性を測定し,空間電荷分布測定信号(PEA信号)を補正する方法について検討したので報告する。