電気学会全国大会講演要旨
2-034
熱劣化架橋ポリエチレンの劣化診断(І)機器分析
◎山田敏太・小松麻理奈・佐藤 遼・大木義路(早稲田大学)・水野麻弥・福永 香(情報通信研究機構)
ケーブルの高分子絶縁材料は、高温環境下で熱劣化する。化学架橋ポリエチレン(XLPE)を185℃で25~200時間加熱し、X線回折(XRD)、示差走査熱量分析(DSC)、赤外吸収を利用し機器分析測定を行った。XRDスペクトルから結晶化度、赤外吸収スペクトルから酸化度をそれぞれ算出し、加熱時間増加に伴う結晶化度低下と酸化度上昇を確認した。両者を比較した処、結晶化度と酸化度は負の相関を示した。また、DSCスペクトルも結晶化度低下の事実を明確にしている。このことからXLPEを加熱すると、酸化が進行し、結晶性が著しく低下することが認められた。