筆者らは、エポキシ樹脂-充填剤界面とトリー進展の関係を明らかにするために、薄葉状試料を用いることによってエポキシ樹脂のトリーイング特性に及ぼす充填剤の影響についてこれまで困難であった視覚的検討を行い、界面の密着性がトリーイング特性に及ぼす影響等を観測してきた。本研究では、電気トリーが充填剤における界面の影響を観測するため、単一フィラーを添加した試料を作製し、光学顕微鏡にて電気トリー進展の観測を行った。観測結果より上（シリカ）側トリー領域の黒領域の割合を計測した結果約61.1％となった。これはエポキシ樹脂に比べ充填剤であるシリカの誘電率の方が高い為、上側トリー領域の割合が高くなったと考えられる。