電気学会全国大会講演要旨
2-066
高分子の耐部分放電性の決定要因(I)エンジニアリングプラスチック
◎池田 勇・長谷川侑香・大木義路(早稲田大学)
近年,軽量性,成形性,耐薬品性,耐熱性などの優れた特徴を備えたエンジニアリングプラスチック(エンプラ)が,自動車および電気・電子産業分野などで多用されている。本稿では,高温下での使用が要求される電気絶縁材料への適用を目的として,種々のエンプラと比較のために汎用高分子の耐部分放電(PD)性を調べ,耐PD性を決定する特性値について考察した。80 ℃,30%RHの条件下において,IEC(b)電極系を用いて試料表面にPDを発生させ,総PD電荷量,PDによる試料の消失体積の測定を行い,試料の種々の特性との比較を行った。その結果,耐PD性の高い高分子となる条件は,高い融点,大きな繰り返し単位(すなわち,モノマーから水素2つ取り去った構造)の分子量,高い密度,ベンゼン環の存在であることが分かった。