電気学会全国大会講演要旨
2-067
高分子の耐部分放電性の決定要因 (Ⅱ)ポリビニル系高分子
◎長谷川侑香・池田 勇・大木義路(早稲田大学)
現在,成型性,汎用性などに優れるポリビニル(PV)系高分子は電気絶縁材料,接着剤,成形品など我々の生活に広く普及している。本稿では,前報に続いて,電気絶縁材料の寿命を決める重要な要素である耐部分放電(PD)性の決定要因を5種類のPV系高分子と,比較のために加えたポリエチレンテレフタレートについて検討した。その結果,前報同様,耐PD性の高い高分子となる条件は,高い融点,大きな繰り返し単位(モノマーから水素2つ取り去った構造)の分子量,高い密度,ベンゼン環の存在であることが確認された。さらに,同じ繰り返し単位を持つシンジオタクチックポリスチレン(SPS)とアタクチックポリスチレンにおいては,SPSの方が良好な耐PD性を示した。