電気学会全国大会講演要旨
2-078
電界印加履歴がLDPE/MgOナノコンポジットの空間電荷形成に及ぼす影響
◎高村規之・草場大地・村上義信・栗本宗明・長尾雅行(豊橋技術科学大学)・井上喜之・村田義直(ジェイ・パワーシステムズ)
本研究では電界印加履歴がLDPE/MgOナノコンポジットの空間電荷形成に与える影響を調査した。 試料(LDPEにMgOナノフィラーを分散させたフィルム)に印加電界が300 kV/mmに至るまで直流ランプ電界を印加し、休止時間後、再び直流ランプ電界を印加した。 結果として0 phr試料(MgO無添加試料)では1回目の電界印加中に負電荷の形成が確認され、その分布は2回目の電圧印加中においてもほぼ同様となった。1 phr試料では1回目の電界印加中においては正電荷の形成が確認され、2回目の電界印加中においてはその量が減少した。1回目の電界印加中に形成された電極極近傍の空間電荷がホモ空間電荷として作用し、電荷の注入を抑制したと考えられる。