電気学会全国大会講演要旨
2-079
ナノコンポジット材料の絶縁特性
○吉原啓紀・箕田充志(松江工業高等専門学校)
超電導機器の電気絶縁は,主に冷媒と高分子テープなどの固体絶縁で構成される複合絶縁を採用している.複合絶縁においては,超電導状態からのクエンチや進入熱によって冷媒中に熱気泡が生じ絶縁耐力が著しく低下するといった問題を含んでいる.そこで,高分子テープの素材を改良し特殊環境下での破壊特性を向上させることが重要と考えられる.本研究では,高分子フィルムにナノフィラーを配合したナノコンポジット材料を用いることで,極低温における高分子材料の機械的特性を向上させ,極低温絶縁材料として適用することを検討する.研究の手始めとして,ナノコンポジットポリイミドフィルムの室温における絶縁破壊特性を検討したので報告する.