電気学会全国大会講演要旨
2-086
乱層構造窒化ホウ素充填エポキシ複合材料中の試作と熱伝導率評価
◎中村悌也・木下智志・小迫雅裕・匹田政幸(九州工業大学)・田中祀捷(早稲田大学)
著者らは、エポキシ複合材による高熱伝導性電気絶縁材料の開発を進めている(1)。窒化ホウ素(Boron Nitride, BN)は、高熱伝導性、低誘電率、低比重を有し、電気絶縁性、耐熱性、化学的安定性、潤滑性などに優れており、高熱伝導性フィラーとして注目されている。BNの結晶構造には立方晶系(cubic BN: c-BN)と六方晶系(hexagonal BN: h-BN)が一般に製造されており、後者には無秩序な積層構造を持つ乱層構造BN (turbostratic BN: t-BN) が存在する。㈱FNCが開発した結晶性t-BNには、数10 nmから約20 mサイズの粒子があり、その適用に着目した。本報では、そのt-BNを用いたエポキシ複合材料の開発とその熱伝導率評価について検討した結果を報告する。