電気学会全国大会講演要旨
2-091
テラヘルツ波による塗膜下鋼材発錆の検出
布施則一・福地哲生・○高橋紹大(電力中央研究所)・水野麻弥・福永 香(情報通信研究機構)・岡本達希(電力中央研究所)
THz波反射強度分布から,塗膜下の発錆を2次元的に明確に検出できた。軽微な発錆部位の検出が可能であったことから,塗膜下鋼材発錆を顕在化前に早期検出できる目処を得た。反射THz波形から塗膜下の断層構造を非破壊計測でき,これより推定した塗膜の厚さは実測値とほぼ一致した。さらに,THz波反射強度分布の経時変化を計測し,発錆面積率の増加に伴いTHz波の差分吸収率が増加することを明らかにした。通常の防食膜は可視光に対し不透明で目視では発錆分布を把握できないが,差分吸収率は発錆面積率の推定に有効である。さらに,THz波を用いれば目視では検出できない発錆層の厚さ変化を検出できる可能性が示唆された。