電気学会全国大会講演要旨
2-095
近接昇華法によるAgGaTe2の成長
◎宇留野 彩・小林正和(早稲田大学)
AgGaTe2は室温におけるバンドギャップが1.3eVと太陽電池応用に適した化合物である。近接昇華法は一般に成長速度が速く量産に向いている、装置が安価で低コストであるなど、太陽電池の作製に関して多くの長所を有する。しかしAgとGaの蒸気圧は比較的近いが、Teはそれらよりもはるかに高い蒸気圧を有するので、近接昇華法で成長させる際にストイキオメトリの制御が困難になると考えられる。 そこで本研究ではAgGaTe2の作製に適した条件の探査を行った。結論として近接昇華法を用いてAgGaTe2薄膜をSi基板上に堆積させることが出来た。最適なソース温度は870℃付近であり,徐冷ステップでは長時間かけて徐冷した方が、よりストイキオメトリが保たれやすいことが確認できた。