電気学会全国大会講演要旨
2-112
P3HT/PCBMバルクヘテロ接合太陽電池の活性層へのNileRed分子添加効果
菱沼孝亮・◎横野洋希・木村康孝・萩原純一・西川昌宏・有岡 佑・藤井一秀(鳥取大学)・草野浩幸(鳥取県産業技術センター)・小林洋志・北川雅彦(鳥取大学)
P3HT:PCBMバルクヘテロ接合層に長波長光領域での光吸収用低分子NileRedを添加した素子の膜特性を検討した. P3HT:PCBM:NileRed組成比はモル比により1:1:x(x=0.5,1,2,3,4,5)とした.P3HT:PCBM 膜の光吸収スペクトルのピーク波長510nm に対し,P3HT:PCBM:NileRed膜のそれは長波長側にシフトしており530nm付近となった.NileRed添加膜ではP3HT:PCBM膜と比較しピーク波長での吸光度が増大し,かつNileRed の混合量に依存して増加した.P3HT:PCBM:NileRed膜の膜厚依存性も合わせて検討し,NileRedの最適添加濃度はx=1前後にあるものと推定した.NileRed添加により,未添加バルクヘテロ接合の光吸収を増大でき,分子添加による太陽電池の高効率化が期待できることを示した.