電気学会全国大会講演要旨
2-121
UBMS装置による遷移金属酸窒化物薄膜の作製
浦岡泰之・○平井 誠(奈良工業高等専門学校)・福垣内 学・三木靖浩・浅野 誠(奈良県工業技術センター)
大量の情報が交わされるユビキタス社会では、機器の取り扱う情報量が大幅に増大するため、用いられるデバイスにもこれまで以上に高速で情報通信を行えることが要求される。上記問題を解決する手段の一つとしては、回折限界のない近接場光を利用する光CPUなどの光情報処理デバイスが有用と考えられる。光の波長よりも小さな近接場光を用いることで、従来の電気・電子デバイスに比べ数百倍にまでCPUのクロック速度が向上すると予測されている。以上のように、光情報処理デバイスの重要性および必要性は疑いようの余地はないが、プラズモン増強の高い材料がない波長域では、光の伝送効率が低下するといった問題点がある。従って、本研究では超高速および省エネルギー化に繋がる光CPUを実現するために、可視から赤外域においてSPR現象が起こる超格子構造を実現することを目指している。提案する超格子では、遷移金属酸窒化物であるCr-N-O系薄膜が媒質となり楕円体のEr-V系超微粒子が分散した構造になる。今回は、上記前段階として媒質となるCr-N-O薄膜の合成に関して報告する。