電気学会全国大会講演要旨
2-135
商用周波数磁界エナジーハーベスティング用直列・並列共振回路の考察
◎内山 悠・田代晋久・脇若弘之(信州大学)
著者らは,コイルを用いた商用周波数磁気ノイズの電力回収装置開発を行っている。前報でエナジーハーベスティングに必要な整流回路やDC/DCコンバータでの効率を向上させるために高電圧が必要であることが分かった。そこで我々は共振時に最大電圧をとる並列共振現象に注目した。今回,今まで利用していた共振時に最大電流をとる直列共振と電圧,電力,効率の3点において実験値の比較を行った。結果,20 μT印加時に出力電圧は並列共振の方が約16倍,電力は直列共振の方が2 mW程度大きな値となった。さらに整流回路を接続した場合,10 μT以下では並列共振,それ以上では直列共振で高効率が得られた。以上から磁界強度の値で共振現象の使い分けが必要であると結論付けた。