高性能モータの設計、開発に際して、鉄損の計算値が実際のモータで生じる損失と異なっていることが問題となっている。この原因の一つとして、モータ製作時のボルト締めなどによる積層鋼板の厚さ方向圧縮力による電磁鋼板の磁気特性の劣化が考えられる。そこで、厚さ方向圧縮力によってどの程度電磁鋼板の特性が変化するかについて測定しておく必要がある。 リング試料に厚さ方向圧縮力を印加した場合の測定結果は報告がなされているが、磁束が通っている方向と同じ方向に圧縮力を印加した場合の測定結果とは大きく異なっている。この違いがなぜ生じるかを考察するために、半円状リング試料を用いて測定を行ったので報告する。