電気学会全国大会講演要旨
2-160
Nd-Fe-B系分散型ナノコンポジット厚膜磁石
◎本村浩介・江藤 寛・柳井武志・中野正基・福永博俊(長崎大学)・山下文敏((株)ミネベア)
100 µm厚以下の薄手永久磁石の残留磁化の向上は、電子機器内部の小型モータのトルク向上に直結するものである(1)。本研究室では、10 µm/h以上の成膜速度を持つPLD(Pulsed Laser Deposition)法を用い、数10 µm厚の等方性Nd-Fe-B系厚膜磁石を作製してきた。そういう中、Nd2.6Fe14Bターゲット表面に紫外線レーザをジャストフォーカスさせ照射する、すなわちレーザの高いエネルギー密度を利用し作製した際、ターゲット組成に比べ試料のNd含有量が著しく減少し、PLD法の特徴である「ターゲットから試料への組成転写性」は劣化するものの、一部の試料において0.8 T以上の比較的高い残留磁化を示すことがわかった(2)。 本研究では、上記の高い残留磁化値を得る実験を更に進め、異なる組成を持つターゲットよりナノコンポジット組成の試料を多数作製し、その磁気特性を検討した。