電気学会全国大会講演要旨
2-164
金属-酸化物同時無電解析出の電気化学的考察
◎福井 斉・西村佳那子・平井 誠・藤田直幸(奈良工業高等専門学校)・笹野順司・伊崎昌伸(豊橋技術科学大学)
酸化物マトリックス中に磁性金属ナノ微粒子が分散した構造を持つ金属-酸化物グラニュラ薄膜は,軟磁性,高電気抵抗などの特性を有する磁性材料である。我々は,これまでに“金属-酸化物同時無電解析出法”という新規なウェットプロセスにより,磁性金属であるCoと酸化物であるCe-Oで構成されたCo-Ce-Oコンポジット薄膜の作製に成功している。本研究では,金属と酸化物が共析する成膜条件について,電気化学的な理論検討手法である電位-pH図を作製することで検討を行った。その結果,無電解浴へCoイオンのみに錯形成するglycineを添加することで,金属と酸化物が共析可能な電位-pH領域が見出されていることが明らかになった。