電気学会全国大会講演要旨
3-029
車道横断体験シュミュレータによる車両走行速度と高齢歩行者事故発生率の調査
◎山口尚将・水戸部一孝(秋田大学大学院)・松井靖浩・関根道昭・青木義郎(交通安全環境研究所)・鈴木雅史・久米 貴(秋田大学大学院)
日本の交通事故死亡者は近年減少しているが,死者に占める高齢者の割合は増加傾向にある.歩行中の死亡事故の約7割は高齢者であり,高齢歩行者を対象とした事故防止の取り組みは重要課題だ.そこで,本研究では高齢歩行者の事故防止のためのトレーニング装置として用いられている車道横断体験シュミュレータを使って高齢歩行者および若年歩行者の交通事故の発生率を検査した.検査の結果,高齢歩行者の交通事故発生頻度が若年者に比べ高く,特に奥の車線で事故に遭いやすいことを明らかにした.高齢者の衰えた事故回避に関する能力を明らかにすることで,効果的な事故防止策を提案できると考える.