日常生活を豊かにし文化的な活動を行う上で，映画やテレビの存在は私たちにとって欠かせない．他方では，加速化する高齢者人口の増加を背景に様々な身体特性を有する人々（聴覚障害や視覚障害等）の割合が増加している．しかし現状では，これらの人々の日常生活を豊かにする手段の一つとしての映像コンテンツを鑑賞できるシステムは充分に整備されているとはいえない．そこで本研究では，聴覚障害者向けの映画字幕に対するこれまでの考え方を見直すことを目的に，当事者である聴覚障害者，映画製作者，字幕制作者からのヒヤリング調査を実施し，日本映画の字幕コンテンツ制作を経て調査試写会を実施した．