電気学会全国大会講演要旨
3-038
PSOに基づく多チャネルエコーキャンセラにおける係数収束特性の向上
◎西野允人・木許雅則(日本工業大学)
多チャネル適応エコーキャンセラでは,入力チャネル間の強い相関により,係数不定性\cite{futei}と呼ばれる特有の問題が生じる.この問題に対しては,入力信号への前処理による相互相関変動が有効とされているが,それらは音質劣化等の二次問題を持つ.これに対し,近年注目される最適化技法である粒子群最適化法(以下,PSO)\cite{pso}を応用することで前処理等を一切行わずにこの問題を改善する手法が提案されている\cite{kimoto}.本報告では,このPSOに基づく多チャネルエコーキャンセラにおいて,新たな評価関数を導入することでそのエコー消去特性,特に係数不定性の改善を中心に,その性能について言及する.