電気学会全国大会講演要旨
3-078
多入力多出力システムの同定と実システムへの応用
◎崎山綾菜・小林康秀・齊藤充行・岡田誠流・小野貴彦・疋田真一(広島市立大学)
本研究では,多入力多出力システムの同定を目的とし,フィルム製造システムへ適用し,制御性能の向上を目指す.対象とするシステムは非線形系と考えられるが,動作点の近傍で線形化し,モデリングを行う.モデルのパラメータ推定のための誤差評価関数はシステムの観測値とモデルの出力との二乗誤差を用い,勾配法により最適化を行う.本手法のシミュレーションを行った結果,観測雑音を含む場合でも,良好な推定結果を得ることができた.さらに,フィルム製造システムへ適用し,1入力の場合と比較して,5入力の場合の誤差の方が小さく,多入力とした方がシステムをより良く表現していることを明らかにした.