電気学会全国大会講演要旨
3-102
誘電泳動インピーダンス計測法を用いた薬剤投与菌における生理活性の定量検証
○圓城寺隆治・加藤英子・内田 諭(首都大学東京)
一般に、細菌感染に対して抗生物質が投与されるが、近年における薬剤耐性菌の増加に伴い、薬剤物質の種類及び投与量を迅速かつ適切に判断する必要がある。本課題に対し筆者らは、誘電泳動インピーダンス計測(DEPIM)法を用いて、殺菌剤(IPA)投与濃度と大腸菌生育活性との相関を検証した。また数値計算による誘電特性の挙動解析を実施した。大腸菌に対して各濃度IPAを投与し膜状態や代謝活性度を変化させた。実験の結果、周波数100 kHzにおいて電極間コンダクタンス(ΔG)はIPA濃度変化に伴い複雑な挙動を示した。一方、1 MHzにおいてΔGはIPA濃度上昇に伴い低下した。これは従来の培養法の結果に合致している。本結果は、薬剤投与量と菌の生死または菌体内状態との直接的な相関を、ΔG から見出すことが出来ることを示唆している。