電気学会全国大会講演要旨
3-104
誘電泳動インピーダンス計測法によるノロウイルスキャプシドの検出
○中野道彦・正西康彦・久島和史・毛 麗娜・末廣純也(九州大学)
これまでに微細電極を使用して、誘電泳動による細菌捕集し、その捕集に伴うインピーダンスの変化を計測する細菌検出法(DEPIM(Dielectrophoretic Impedance Measurement)法)を提案し、研究を進めてきた。そこでは、食中毒などを引き起こす細菌を検出することを目的としていたが、ここでは、DEPIM法の応用として水溶液中のウイルスを検出することを目的とした。 近年、感染力の強いウイルス性胃腸炎の流行が多発する傾向にあり、その原因ウイルスを迅速かつ簡便に検出する技術が求められている。DEPIM法は、電気機器操作のみで行うため、専門的知識を有しなくても使用可能という特徴がある。本報では、ウイルス性胃腸炎の原因ウイルスの一つであるノロウイルスの組換えキャプシドを使用して、これが、DEPIM法で検出可能かどうかを調べた。キャプシドとは、ウイルスの外殻でありこれが検出可能であると、すなわちそのウイルスを検出可能であると言える。その結果、2.5ng/mlのウイルス溶液を300秒で検出可能であることが分かった。