電気学会全国大会講演要旨
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誘電体薄膜を利用した電界制御と負の誘電泳動による三次元細菌濃縮への応用(1)数値解析
◎久島和史・正西康彦・毛 麗娜・新里賢太・中野道彦・末廣純也(九州大学)・濱田 了(パナソニックヘルスケア)
筆者らは、迅速かつ簡易な細菌検出技術として誘電泳動現象とインピーダンス計測を組み合わせたDEPIM法を提案してきた。さらに、高電界下での細胞膜破壊を利用したEPA-DEPIM法を開発し、懸濁濃度50cells/mLの大腸菌を3時間で定量的に検出することに成功した。 本研究では、誘電体薄膜を用いてマイクロ流路内の電界を制御し、負の誘電泳動力を利用した細菌濃縮を行う手法を考案した。これによってマイクロ電極近傍の細菌捕集領域に進入する細菌数を増やすことでDEPIM法の更なる高感度化が期待できる。 本稿では、考案手法の有効性を理論的に検証・実証するために、流路内の細菌挙動を数値解析した結果を報告する。