電気学会全国大会講演要旨
3-111
誘電泳動を用いた細胞均一播種装置の開発
◎周 広斌・宮崎泰三・武田志津(日立製作所)
治療用細胞,特に接着細胞の増幅には,培養面に接着して増殖するため,細胞密度が常に一定の範囲になるように調節する必要がある。従来の自然沈降の細胞播種方法は,培養面積の利用率低下や細胞接着せず死細胞率の増加を招く。また,自然沈降による培養面への細胞接着には数時間を要するため,細胞の接着から増殖に移るまで時間を要する。本研究は,誘電泳動現象を利用して積極的に細胞の均一播種や細胞接着時間の短縮を実現できる細胞プロセッシング技術を開発している。本発表では,細胞培養容器の培養面に設けるマイクロ電極を用いて,培養液中の細胞を速やかに培養面に固定させ,細胞の均一播種と短時間接着効果を実証している。