電気学会全国大会講演要旨
3-136
対向針の三次元的位置合わせ可能なTEM観察用MEMSデバイス
◎岡田利裕・石田 忠・佐藤隆昭・藤田博之(東京大学)
微細加工技術の進歩に伴い作製できるようになったナノ構造はバルクと異なる特性をもつが、その特性は形状変化に大きく依存する。そのため、ナノスケールのその場観察が重要である。そこで我々は鋭い対向針を持つMEMSとTEMを組み合わせた。しかし、対向針の高低差のために観察が困難であった。 そこで、TEM観察用のMEMSに対向針の一方に高さ方向駆動機構を組み込むこととした。対向針を備える両持ち梁を非対称な静電引力の分布によりひねることで、針先を高さ方向に駆動する。ディレイマスク法でデバイスを作製し、ひねり電極に125Vの電圧を印加したところ、高さ方向に3〜4nmの変位が得られていることが確認できた。