電気学会全国大会講演要旨
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水中における化学物質源の探索‐噴流による化学物質の誘引-
◎竹村龍一・高橋健司・牧下智美・石田 寛(東京農工大学)
流れの淀んだ環境において化学物質が広がる速度は非常に遅い.このため化学物質はその放出源のごく近傍に留まり,離れた位置からこれを検出することは困難である.本研究では,このような環境で化学物質を検出するために,噴流による誘引効果を利用した水中化学センシングシステムを提案する.数値流体力学解析により,噴流の放出方向を変えることで,様々な角度範囲から化学物質を引き寄せられることがわかった.状況に合わせて噴流の方向を変えることで,効率よく化学物質を検出することが期待できる.引き寄せた化学物質を電気化学センサのアレイで検出する実験を行った結果,それぞれのセンサの応答を比較することで,化学物質の放出源の方向を判定できることが確認された.