電気学会全国大会講演要旨
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ペルチェ素子により生じる熱対流を用いたガス源方向判定デバイス
◎美土路拓歩・石田 寛(東京農工大学)
ガスを検知し,その発生源の方向を判定するためには,単にガスセンサを設置するだけではなく,センサの周囲に能動的に気流を生成することが有効である.本研究では能動的に発生させた熱対流を利用し,床面付近に漂うガスを引き寄せ,その発生源の方向を判定するデバイスを作製した.ペルチェ素子によって,デバイスの中央から両端に向けて熱を輸送する.高温部を空間的に分離することで二つの上昇気流を形成し,左右のセンサにガスを引き寄せる.中央の低温部では下降気流が形成され,これがエアーカーテンのように作用して,左右のセンサの応答差を拡大する.作製したデバイスを用いて実験を行い,床面に漂うガスを引き寄せ,ガス源に近いセンサによって検出することに成功した.