電気学会全国大会講演要旨
3-147
質量分析器を用いた香りの近似の推定精度向上法
○二瓶泰徳・中本高道(東京工業大学)
本報では質量分析器を用いて、数百種類の匂い物質のマススペクトルから成るデータベースを構築し、マススペクトル空間上での基底ベクトルを抽出することによって汎用的な役割を果たす要素臭を作成した。これらの調合比率を変えることで元となったデータベースに存在する多様な香りを近似臭として再現することが出来る。 本報ではNMF法を用いて基底ベクトルを求める際の初期値の設定法を工夫し、近似臭の精度向上を試みた。この方法は基底ベクトルの初期値を従来通り乱数とするのではなく、マススペクトルデータベースをクラスタリングし、各クラスタの基底ベクトルを初期値とする方法である。この方法により近似精度の向上に成功した。