電気学会全国大会講演要旨
3-148
短時間フーリエ変換回路を搭載した匂い認識チップによる大規模データ識別実験
○児玉 究・中本高道(東京工業大学)・ニムスックニティカーン(タンマサート大学)
匂い認識チップは複数の水晶振動子センサの応答パターンを計測してニューラルネットワークで匂いの識別を行うディジタルLSIであり、小型高速の匂いセンシングシステムを実現できる。従来の匂い認識チップでは、大気中のような匂い濃度が不規則に変化する場合に識別率が低下する問題があった。そこで、センサの過渡応答波形から識別に有用な情報を抽出するため短時間フーリエ変換回路を設計し、前処理部に用いた。設計した回路をFPGAに実装し、オフラインの識別実験で識別率が向上されることを確認した。また、温湿度条件の異なる大規模データのために回路を拡張し、約2万のデータに対して従来よりも識別率を向上させることができた。